山下清の放浪日記/山下清
山下清の放浪記である。障碍児らしい語り口は編集の手があまり入っていないことの証であろう。読みにくいといえば読みにくいが、山下清本人の肉声と思えば全く苦にならない。
ただ、スケッチや貼り絵の掲載点数が少なくて残念。
内容は戦中、戦後における日本で山下清がルンペン放浪生活をした際の日記である。食べ物や小銭を恵んでもらい、線路沿いに歩き、駅で野宿する。何回も警察に職務質問され、精神病院に入れられたりもする。
たまに他者の善意で丁稚奉公させてもらえるが、耐性がなくすぐに逃げ出す。そんな話ばかりだ。
ぶらりぶらりシリーズが良かったので、この本も読んでみたが、ぶらりぶらりのほうが数倍は良かった。