ハックルベリイ・フィンの冒険/マーク・トウェイン(新潮文庫)
先日読んだトム・ソーヤの冒険が面白かったので、アメリカでは「トム・ソーヤの冒険」よりも人気があって有名だという「ハックルベリイ・フィンの冒険」も読んでみた。
英語の原文で読めば、散文的なリズムが感じられるのかもしれないが、翻訳版は余計な装飾語が多くて読みにくく、また後半のトム・ソーヤ登場あたりからことさらクドい余計な修飾まみれの文となってしまい、読み続けるのが少々苦痛だった。
「トム・ソーヤの冒険」のほうが面白い。
イタズラ好きな問題児トム・ソーヤが巻き起こす事件に飽きることなくページをめくることができた。
親友達との家出とサバイバル生活、殺人現場を目撃したり、洞窟で彼女と遭難したり、殺人犯の隠していた財宝を手に入れたり・・・。
古き良き、正統派の児童文学作品だ。そして私は児童文学が好きだ。何より終始安心して読める。
過去に数々の冒険小説を読んできたが、本作はサバイバルの要素は多くなく、好奇心に即した行動が事件になりそれを主人公が突破していく感じの冒険であった。
トム・ソーヤの相棒、浮浪児ハックル・ベリーフィンが主人公の続編も有名ということで、そちらも入手して読んでみようと思う。