岩手県 夏油(げとう)元湯温泉、世界遺産平泉(中尊寺と毛越寺)
なかなか来る機会のない岩手県。盛岡が中核都市だが、今回仕事で訪れたのは北上(きたかみ)。東北新幹線の停車駅である。
北上での仕事を終えてから1泊2日約24時間の自由旅行時間は、夏油温泉の老舗元湯夏油旅館での秘湯堪能、奥州藤原氏が作った世界文化遺産平泉の中尊寺と毛越寺観光とした。
いずれも北上から50~60km、一時間程度のドライブで到達できる。
夏油元湯は川沿いの露天風呂が抜群に良かった。情緒深い。豊かな自然に囲まれていて、車や飛行機その他の人工音は一切聞こえず、ただ川の流れる音、鳥のさえずり、風が木々を揺らす音など自然音だけの世界に身を置くのである。
湯に浸かり熱くなれば、湯から上がって自然の空気にて身を冷やしつつ川のせせらぎの音に耳を傾ける。
あるいは湯で熱くなれば、川の水を手桶ですくい頭からバシャーっと浴びる。
最高に整った。
自炊部屋(部屋に鍵はかけられない。風呂トイレ共同、朝夕食事なし)で浴衣有料レンタル、手ぬぐい購入しても1泊で3700円位だった。虫が部屋に大量侵入するし、女子供連れでは泊まらない宿だが自分一人だけなら最高の宿だった。
次にもし来るとしたら紅葉の時期が良さそう。
中尊寺と毛越寺は世界遺産ということで、期待していたんだけど、正直、そんなに良くなかった。
中尊寺の金色堂については、仏像及び仏具だけが金色なのではなく仏殿まで金色にしたということだが、鑑賞するにあたっては遠くから見学せざるを得ない結果となり、折角の仏像や仏具の細工が堪能できない。中尊寺の宝物殿も、端正(逆にいうと異形な個性的なものがない)な仏像数体と工芸品レベルのものが見られるだけである。
毛越寺(もうつうじ)は庭園(浄土庭園)は確かに大きくて珍しいが、変テコな龍を模した安っちい舟が2艘浮いていて下品だった。また参拝客用の休憩所もグリーンシートの三角屋根の運動会仕様のもので、甚だセンスがない。
そして肝心寛容な本殿(金堂円隆寺)は既にだいぶ昔に焼失済で存在しない。
平泉は遺憾ではあるが「残念な世界遺産」として僕の胸に刻まれた。もう二度と平泉に行くことはないだろう。