硫黄谷温泉 霧島ホテル 鹿児島&屋久島一人旅1
2021年9月をもってコロナ緊急事態宣言が終了した。旅行の自粛や、飲食店でのアルコール提供禁止など、ストレスフルな生活であった。僕は宣言中も旅行もアルコールも楽しんでいたけど、全開という感じではなかった。10月からは全開で楽しもう。そう思って旅に出た。行き先は鹿児島。
やりたいことリストに、鹿児島の桜島を見る、屋久島の縄文杉や苔むす森(もののけ姫の世界)を見る、というのがあったからだ。
鹿児島空港に到着し、レンタカーで向かったのは霧島ホテル。混浴のだだっ広い大浴場が有名な老舗ホテルだ。
実は僕は繰り返し見る夢がある。温泉とプールが合体したようなユネッサン的なところにいて、フルチンで佇む僕。
男女問わず楽しそうに温泉プールで遊んだり寛いだりしている中をフルチンで歩く僕。
鹿児島霧島ホテルの大浴場は夢の場所にかなり近かった。
半透明なスクリーンで覆われたロッジ型のテントの下に体育館が6個分もの広大な温泉空間が広がる。
女性専用エリアは1/6から1/4程度か。残りの部分は混浴である。
男女別浴となるが露天風呂と内風呂がそれぞれにある。
大浴場混浴は、正面中央にカマジイ(千と千尋の神隠し)が温泉を浴槽へ送り届けるような木製の送湯路が突き出している。
25m*6コースのプールを凌駕するような広い浴槽の大動脈となるお湯が木製送湯路からとめどなく放出される。
その下にこれまた木製でお盆のような貯水池に貯められ、そこから5本の木製送湯路を通りザバザバと湯池に注ぎ込む。熱さの源泉であり流れてくる湯はヤケドしそうなほど熱い。
そんなカマジイ愛用の木製送湯施設の対面には、頭上20m以上の高さまでの放水である。20mまでの高さまで放出された水が滝のような水流となってドっバドっバと湯池に突き刺さっている。こちらの滝壺で放水の直撃を受けるのではなく、滝壺横数十センチ程度に立ち、滝を裏側から見る状態でこの「天下の名湯」を味わうのも良い。
そしてこの広大な温泉空間をしばしば独占(独泉)できたことが、素晴らしい体験となった。混浴なので多数の男女入浴客がいるのも楽しいが、平日だし、自粛明けすぐだし望むだけ無駄である。大空間、大量の湯をたった一人で独占して享受する喜びはたまらない。
源泉かけ流し、豊富な湯量を活かし、類まれな湯池を作り上げた霧島ホテルの歴々の経営者達はスゴイ。
霧島ホテルは、大浴場だけでなく色々な源泉の風呂もある。
明礬湯を与謝野晶子が
皇帝の翡翠の床のようにクールだと詠っていた
与謝野夫妻や坂本龍馬夫妻の新婚旅行先だったりして、歴史もあるし、ここは本当に別格にスゴイ。
こうなりゃサウナもいい。乾いているけど。でもレディースタイムを飽きずに過ごすにはサウナもあっていい。
内湯がいい。明礬湯は身体が清らかに浄化される感じがする。硫黄泉も塩類泉も成分をビキビキに裸で感じる。
水風呂は霧島連峰の湧水。ちなみに風呂内にいくつも霧島の天然水飲み場がある。ごくごく飲んじゃう。まろやかで清くて本当に美味い。
そんな霧島連峰の湧水ドバドバの水風呂。温泉で身体を温めて、フルチンで庭園大浴場を歩いて、水風呂にドッパーん!くぅー気持ちイイ!
霧島ホテル付近には川から自然湧出する野湯もある。野湯好きの私であるが、虫も多そうだし、霧島ホテルの大浴場のほうが開放感もあり気持ちいいので野湯は入湯せず。外の野湯より気持ちいい室内大浴場ってなかなかない。本当に素晴らしいホテルだった。