日の名残り/カズオ・イシグロ
イギリスの名君の屋敷に仕える執事・スティーブンスの回想録。
品格のある主君に仕える執事もまた品格を持つべきであり、職業倫理を考えつくす職業人スティーブンス。
様々な場面をスティーブンスの内省と、新しい主に休暇をもらい寿退社した古い同僚(女中棟梁)を訪ねる旅行の現在の出来事が交互に語られる。
場面場面が匂い立つほど繊細な描写で、引き込まれる。
ただし全体的なシナリオの面白さという意味では、少々退屈であったということも偽ざる事実である。
情景描写、心理描写は見事だが、シナリオが〜弱い。
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