グレート・ギャッツビー/スコット・フィツジェラルド著、村上春樹訳
村上春樹氏の著作の中で、しばしば触れられていて気になっていた。村上氏の人生においてもっとも重要な小説だという。
話は謎の大富豪グレート・ギャッツビーの執念とも言える恋愛の辿る数奇な運命を、隣人ニックが語るという形式である。
なおニックはギャッツビーの意中の女性であるデイジーの遠い親戚でもある。
パーティーの儚さ、強欲な男と女の悲喜劇、死のあっけなさ、意識が朦朧としてるような暑さや喉が痛くなりそうな乾いた街の景色などカッコいい情景描写、続きが気になるストーリー展開、どれも秀逸だった。
結局、どいつもこいつもショウガナイ人々で、最後もハッピーエンドではなく、まあ今後も同じところを堂々巡りするんだよねこの人たちは。みたいな終わり方だけど、それも含めて村上春樹氏の小説に通ずるものがあった。