遠い太鼓/村上春樹

ラジオinterfmで平日昼に流れているDJロバートハリス氏の番組にて、氏本人が紹介していた。

旅に出たくなる。イタリア、ギリシャ旅行の際には必携の本だ。これからの人生で繰り返し繰り返し読むことになる予感がする。

最も旅にあう本だ。

ワインの知識について我が意を得たりという表現があった。

イタリアのトスカーナ地方キャンティにワイン農場を巡って自分好みのワインを買い付ける春樹氏。

とはいっても僕は別にワインに詳しい人間ではない。どちらかというと全然詳しくない人間である。どこ地域のどの斜面で何年に取れた葡萄がどうこうというようなことは、僕にはいささか面倒すぎる。

僕の好みは、基本的には少しハードな感じの、きりっとした味わいのある赤である。口に含んで少し渋いかなと思ったとたんに、芳醇なテイストがふつふつと湧き上がってくるような、腰の座ったワイン。言葉にすると難しそうだけど、実際に飲んでみれば簡単な話である。「うん、これこれ」それでおしまい。

春樹氏はキャンティーの葡萄酒倉巡りにおいて、多くのワインを試飲して、自分の「これだ」というワインを見つけるのが醍醐味だと言う。ワインの実体が全て。なんて素敵なんだ。

僕の場合はどうだろう。

レストランでワインのペアリングがあればそれをオーダーする。だって詳しくないんだから。料理やシチュエーションに合わせてソムリエが選んでくれたワイン、産地や仕込んだ年だとか流暢な説明を聞いて感心しながらも、僕としては全く記憶に留めようとしていない。純粋にワインのテイストと向き合う。印象に残って、また自分で主体的に再会したいと思ったワインだけシチュエーションが許せばメモっておいて、後日、エノテカとかで購入する。

そんなワインを、とっておきの日に開ける。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です