旅へ 野田知佑

青年期特有の何をすべきか自問自答し、旅へ出る自伝。

初の海外一人旅に行くのに魚猟の網、ゴムボート、ギター(ケースに入れていない裸の状態)を持っていくあたり、主人公である作者の豪胆さが現れている。

まだ日本人の海外個人旅行が珍しかった頃、滞在先のヨーロッパ各地でいとも簡単に現地の人と仲良くなり楽しく交流しているさまは痛快であった。

作者はヨーロッパ旅行から帰国後、英語教師→旅行雑誌のライターと職を変えるが、破天荒さは変わらず我が道を行く。

物語として非常に楽しく読めた。

巻末の自分史振り返り年表で離婚しているのを見て納得感を得た。

自由を愛し旅を愛する私が、現在進行形で、しばしば妻の無理解に困惑しているわけだが、この本の作者を理解し許容し添い遂げてくれる人は稀有であろうから。

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