異国トーキョー漂流記 高野秀行
日本在住のオモロイ外人さん達と著者高野氏のハートウォーミングな交流記。
強烈な個性を持つ外国人の面々、みんなそれぞれ優しい良いとこがあり憎めず愛らしいが、極めて自己中心的である。僕も極めて自己中心的な人間だが、日本社会と折り合いのつけ方を心得ているから何とかなっているのに比べて、当然だが彼らはそれぞれ大変である。
彼らと関わるってことは、彼らの抱えているトラブルとも関ることであり、普通の日本人だったら積極的に関わり合いにならないんだろうが、積極的に彼らと付き合う高野氏も度量が深い。
自分と他者を隔てる壁が低いのか、あるいは曖昧なのか。
氏の作品にはどれも根底に他者への興味と温かい眼差しがあり、トラブルを楽しむ朗らかさがある。まだまだ高野作品を読みまくりたい。