集英社傑作小説大全 冒険の森へ11”復活する男”

隆慶一郎 ぼうふらの剣、白石一郎 秘剣、この2作品は面白かった。

昨晩、息子に「お前はバカだ」と言ってしまった。
「ゲームが好きなだけできる」という我が家独特の奔放主義は、「学校の勉強などは余裕でこなせるような学力があること」が基礎的な条件になっている。
そこで、学力を測るべく、ゲームをやる前、算数アプリ(今は九九)で100点を取ることが彼には課されている。

何度も同じ問題で間違えているのに、どんな問題で間違えたのかを自覚していなくて、ついつい言っちゃったんだよね。「お前はバカか」と。彼の能力は大体8割から9割程度は正解する程度のものだから、10回試験受ければ1回位は100点が取れてしまう。その100点が取れるまでダラダラとアプリ上で繰り返し試験を受けている。

それじゃダメだよと。間違えた問題を紙に書きださせて、間違えた苦手な問題だけを繰り返し練習させた。苦手問題を完璧に正解できるようになれば、1回の試験で当然のように100点取れるようになるよって教えた。

そしてその後、「バカって言ってゴメンよ。君はバカじゃないよ。なんで間違えたか考えて、どうやったら次から改善できるか考えてほしいんだよ。考えないで同じことで繰り返し間違えるのがバカで、君は今回こうやって改善できたんだしバカじゃないよ。」なんてことを改めて息子に伝えました。

子育ては難しい。

翻って、冒険”小説大全11”復活する男”に収録された2作品、隆慶一郎 ぼうふらの剣、白石一郎 秘剣である。いずれも武家、代々究めし剣の道を継ぐ家柄の師範である父と、父の期待にうまく応えられない息子の話である。

父は父なりに思い悩み、息子のためを思って厳しく接するが、息子は息子で父の型にはまった期待に応えられず、父の元を離れ、己の進むべき道を自ら見つけ出す。

大体、古今東西、息子というのは父の想像をはるかに凌駕して強く逞しいものである。
息子の将来を心配するよりも、父は己の心配をしていたほうがいいんじゃないか。狭量狭く息子をバカと罵るのではなく、彼の個性を尊重して、的確なアドバイスでサポートしてあげたい。

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