愛と幻想のファシズム/村上龍

多分、私が高校生の時に読んでいる。その頃は色々なことに思い悩んでいて、かといって自分に対して悲観するわけでなく、「今、何をすべきか?」と考えていた。
その頃から変わらず主人公が革命を起こす小説が好きだ。
カイのおもちゃ箱、月と刀、それにこの「愛と幻想のファシズム」。これらの作品の主人公は私のアイドルである。

にも関わらず、私はこの作品を村上春樹の「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」と混同して記憶していた。ことあるごとに好きな作品として「世界の終わり〜」を挙げていたが、改めて2つの作品を読み直して気がついた。やはり記録に残しておくことは重要だ。

さて、今、読み直してみて私は何を思ったか?
例えば小説内の革命の実現可能性については、昔よりも断然シビアに見えてきて荒唐無稽だ。しかし、弱者は淘汰されるのが自然の摂理だ、という考えには未だにとても共感する。
高齢化社会で、80歳を越えたジジババの医療費を国民全員で負担するなんて馬鹿げている。もちろん高齢でも手術してでも生きたい人はいるだろう。それは自由だ。ただ、それは健康保険の予算を使うな。患者の治療費の自己負担率を年金受給開始と共に年齢%にして、高齢になるほど自己負担額が上がるようにすべきだと思う。
それができるのが政治だが、老人の数が多い現状の日本の民主主義ではそのような政策をとる政党は選挙で支持されないだろう。
だから革命が必要なんだ。
なんて思ったりする。でも実際、自分が老人になることも薄っすら想像できる年齢だし、革命なくても個人的に超幸せだからこのままでいいかな。
高校生の頃は、無知だったな。現状に満足していなかった。今は何だかんだ楽しいし、子供もかわいいし満足してる。ああ、歳をとったんだなあ。

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