何でも見てやろう/小田実
インターネットやスマートフォンがない1960年代に世界中をバックパッカーとしてド貧乏旅行をした作者の旅行記。
アメリカにフルブライト留学生として渡り、そこからは1日1ドルの予算でヨーロッパ/アジアの国々を航空券のトランジット制度を駆使して、「何でも見てやろう」の精神で旅をする。
バックパッカー旅行は、現代よりも1960年代は格段にハイレベルだし、この著書がベストセラーになるのも頷ける。何とかなるやろ精神で、オレでもどうにかやれるんじゃないか?なんて思ってくるのだ。
もっと気楽に呑気にドタバタ楽しく物語が進むのかと思っていたが、社会の問題の本質(貧困とか)について思慮していたり、思いのほか、快楽主義的ではなかった。
快楽主義、享楽家の書いた旅行記が読みたいな。オレもしたい!と思わせるような。少なくとも小田実さんのような旅は、今の僕はしたくない。18歳でタイとインドに2ヶ月近く同じような一日1ドル旅行したけど、今40半ばではできません。