タオ・コード/千賀一生
古代中国の思想家・老子の教え「道(タオ)」は、セックスを通じて森羅万象との繋がりを実感し、宇宙を感じ、人として充足するというのが真の意図であった。
というノンフィクション?の物語。
自然空間で少人数で行うヤーマ(ヨガみたいなの)で、森羅万象に宿る精霊の存在を感じ、セックスヤーマでお互いの魂の交歓をする。祭りでは男女が手を取り合い輪になって踊り、筆舌しがたい高揚感・エクスタシーと一体感を味わう。
そこまで来ると、単なる男女間の愛ではなく、それを包括する大きな愛を実感できる。それこそが真理である。
これはLSDやエクスタシーと共にセックスやレイブパーティーを経験した人なら想像ができると思うけど、僕も共感した。
現代の宗教では「性愛」は煩悩や堕落の象徴だが、太古の昔は「神に近づく神聖なもの」であった。性愛への欲望が歪められた結果、所有欲やら名誉欲やら歪んだ愛の形が現代人を支配するようになった。
愛に満たされた生き方をしていれば、相手に不満を抱いたり嫉妬心で相手を縛ろうとしない。タオの大きな愛を共有する人々は、異性全てと深い一体感で満たされ親密なスキンシップをとる。婚姻関係などの約束事で相手を束縛などしない。なにせ、この愛に包まれた男女は全員繋がっているのだから。
このような主張も深く納得できる。
今、僕は現代日本社会の規範を逸脱して、性愛に没頭し、男女の魂の交歓を楽しんでいる。罪悪感もないし、変に荒ぶったり、心を乱されることもない。安定しているからだ。
本当にノンフィクションなのかは知らないが、こういう本が流行ったら、もっと世の中に愛が増えると思う。今は社会はギスギスしてるでしょ、知らんけど。
ところで、この作者主催の舞踊の会があるそうだ。もしヤーマの祭りみたいのであれば参加してみようと思ったが、スピリチュアル人間ばかりだとキツいなあ。
自然環境の中でパートナーと裸になってセックスしたほうが大きな普遍の愛を感じられる気がするなあ。