針穴の女

彼女とはマッチングアプリで知り合った。お互いプロフィール写真を見てLIKEボタンを押してマッチした。

マッチングアプリ上で自己紹介から始まってやり取りしていたら「電話で話しませんか?」と彼女から提案があった。僕は通話は苦手なのもあり、実際に会おうと提案した。

彼女から少し考えさせてほしいと返信があり、一週間ほどした頃、「まだ間に合いますか?もしよければ会いたい」とのことで会うことになった。

会う場所を決める段になって、彼女はお店の候補を2つ提示してきた。どちらも一般的に見れば高級に分類される店だ。

僕は候補となる店を指定してくることについて「おや、これは独特な個性の人だ」と感じた。しかし、どこからその「個性」がくるのか背景が気になり、彼女の意向に従って店を予約した。

会ってみたところ綺麗な格好をしているが既に子供を作るにはタイムオーバーな40代半ばの女性だった。

エイジェンダーとのことで、性的なことに興味がないとのこと。

加えて世の中に対して斜に構えており、あらゆることに否定的である。

インテリジェントな男でないと魅力を感じない。海外では結構インテリジェントな人がいるが日本人には少ない。

セックスしていても感じない、なんならその日の晩ごはんについて考えている。

そんな彼女はモチロン彼氏がおらず独身である。

まるで針穴を通すような難易度の門戸の女である。

レストランでは空きっ腹に飲むと酔うからと水を頼んでいた。酔っ払ったり、ハメを外したりといったことをすると、それをキッカケに彼女の規範ある生活が崩壊してしまうのだそうだ。

話していてもツマラナイし、インテリジェンスも感じない女だが、面白いこともあった。

針穴の女の元彼氏が映画のシナリオを書いていた。針穴の女は例によって彼氏のシナリオを読んで馬鹿にしまくっていたんだそうだ。

そしたらその彼氏、後に権威ある著名な国際映画祭で脚本賞を受賞したんだそうだ。

いかに彼女が自分以外を見下して生きているのかの良いエピソードだと思った。

40歳越えて独身の男よりも、女のほうが欠陥度が凄い気がする。自尊心が強くて、話していて痛々しい。

結婚して子供がいたら、「誰かのために生きる」という人生の充実感を味わえるのだろうが、それがない。

ふむふむ、マッチングアプリで40以上の独身女(バツありはOK)は、これからは選別をしよう。

針女の趣味は海外旅行だった。でもそれでは満たされない。それで、今後も、世間に、沢山の男に対して毒づいて生きていくんだろう。

可哀想になってしまって、色々彼女の話を聴いてあげたけれど、彼女の姿勢は頑なすぎて変えるきっかけも作ってあげられなかった。

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