宝島/スティーブンスン著・阿部知二訳
私は手持ちの文明の利器がほとんどない自然環境の中、創意工夫で生き抜くサバイバル小説が好きだ。しかし、この宝島という小説のサバイバルは趣が異なる。集団内での裏切り、戦闘、交渉をしながら生き抜いて宝を得るというサバイバルである。
物語の展開は小気味よく、読みやすい。
ハラハラドキドキの連続は、さすが欧米の著名な冒険小説という感じ。こういった物語の構成は、ハリウッド映画にまで受け継がれているのだろう。
エンターテイメントとして優れていると思うし、我が子が興味をもって読んでみてくれたら嬉しい。
信頼できる人とは自分の信念を持ち、他者に敬意を払う人だ。
行動する勇気、他者を赦す心は生き抜くうえで大切だ。
世の中には色んな人がいる。
ジム少年が手に入れた海賊の隠し財宝が眠る宝島の地図。ジム少年の支援者(医者、郷士、信頼できる船乗り達)と海賊出の荒くれ者、なかでも料理人として乗り込んだ片脚の悪党ジョンシルヴァで財宝の発掘に宝島へ向かう。
宝島に到着するや、案の定、ジョンシルヴァは海賊出身者を味方につけて、謀叛を起こし、正義軍(ジム少年と支援者)と叛乱軍の戦いになる。