俺たちの宝島 渡辺球

ゴミの山から宝物(骨董的価値のあるものなど)を見つけて買い付け人に渡し、対価として酒やお菓子、食料をもらう。

そんな生活を営むゴミの島に住む少年たち。彼らの親は子供にゴミ漁りをさせて、自分らは賭博などにうつつを抜かし怠惰に過ごしている。

ゴミの島では貨幣は流通せず、物々交換が主な経済活動である。

親達たちは無教養であり、そんな環境だからこそ、無教養は子供に自然と引き継がれる。

ゴミ漁りを仕事にしている子供達は自然と徒党を組み、協力し合う。生きるために。その集団はフラットだ。

そこに階級で支配する新しい形の集団が出現する。組織として動く。単純に頭数を加算するよりも大きな成果を出す。頭領は全体利益の殆どを取る。

労働と搾取、使うものと使われるもの、金と物欲、勝ち組と負け組、ゴミの島は現代社会の縮図である。

結局、最も大切なことは、どんな状況においても、自分の頭で考えて行動する奴が未来を切り拓くということだけだ。

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