秋田温泉一人旅 登山道の脇に湧き出るこれぞ野湯。 一本松温泉 たっこの湯

乳頭温泉郷 黒湯温泉の囲炉裏つき茅葺屋根部屋での一夜を満喫した翌朝、朝ご飯の用意や片付けで部屋と炊事場を往復していると、お隣さんと話す機会があった。

聞けばこの時期に2カ月近く滞在し、近隣の山で遊んでいるとのこと。

確かにお隣さんの部屋の軒先には私には違いが分からないが用途別なのであろう、登山系の専用シューズが3足も干してあった。チラっと見える彼の部屋の囲炉裏には栗やらキノコやらが並べてある。いかにも山の男である。

私がチェックアウトする際には、黒湯温泉の源泉池からネットに入った黒黒した温泉卵を私にくれた。ありがたい。あとで食べたが、ほんのりと硫黄風味をまといつつ、しっかりと卵本来の味がする、真っ当な温泉卵だった。

山を愛し、自然を愛し、人にやさしくできる。

これぞ最高なのである。

さて、黒湯をチェックアウトし、未舗装路をスーツケースを背負い駐車場へ行き、あらかたの荷物を車に置き、いざ行かん本日のメイン野湯、一本松たっこの湯へ。

黒湯温泉駐車場から孫六温泉&乳頭山登山口方面へ降りる。孫六温泉とは逆側の乳頭温泉登山口に入る。ここからはトレッキングシューズを履いて、悪天候に備えた防寒具や雨具を装備し、熊除け、虫よけなどがあればなんてことはない、たった30分程度のハイキングである。
(ただし沢を渡るので増水時などは注意されたし)

ちなみに私の熊除けは「リュックにぶら下げたモバイルスピーカーでトランスやテクノミュージックを爆音でかける」である。鈴の音も情緒深くていいけど、どうせなら好きな音楽のほうがいいかなと。逆に自然に没頭できる。

もちろん、人が見えたりしたら音を止めます。

はい、それで30分のハイキングの後に現れたのが一本松温泉たっこの湯。

湯舟の底部には泥と落ち葉と硫黄が堆積していて、足を踏み入れると、ぶわぁ~とそれらが舞い上がる。気持ちよくはないが、さして不快でもない。

30分登山で軽く汗ばみ始めた頃だったので、早速、衣服を脱ぐ捨て温泉にジャボン。ふぅー極楽極楽~♪

景色もいい。登山道から丸見えっちゃー丸見えだが、かれこれ1時間以上誰も通らない。さすが平日午前中。

精神と肉体を自然の中に解き放つ。

開放感がたまらない。

時間軸から自由になる。

誰にも何にも束縛されず、私は温泉の湯でぬくもりを、山の風で清涼を得て、永遠の命を得たかのような充足感を得たのである。

完成。

というわけで、本日午後は雨予報だということもあり、雲行きが少々ネガティブになってきたころに下山を始めた。

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