雷電本紀 飯嶋和一
凄い本を読んでしまった。
読書中、何度も感動した。
生涯戦績254勝10敗、伝説の相撲力士雷電の伝記小説。
土俵上では対戦相手が壊れようが歯牙にもかけないバケモノのような強さながら、情に熱く、勤勉で、民衆に熱狂的に人気のあった雷電。
飢饉や大火など災難の多いご時世、請われれば赤子を抱き上げ健康を祈念し、混乱で整えられてない村の土俵でも全身全霊で力足を踏み、民の困難を救済しようと祈祷する。
そして何よりも圧倒的な強さ。その力に熱狂する人々。
雷電を支えた商人旦那鍵屋助五郎、関脇千田川、村相撲で雷電と一戦交えて一揆で命を落とした日盛、大変魅力的な人々との凛とした魂の交歓ともよべる交流。
相撲は裸でとる。手に武器はなく、男と男が俗世間の一切、身に帯びた一切を剥ぎ取り、己の身だけで死力を尽くして戦う。
だから美しく、人々を熱狂させる。
相撲は過去一度、両国国技館で観た。また観に行きたい。
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