世界へはみ出す 金城拓真
アフリカで年商300億円40社以上を経営する沖縄出身の日本人実業家の自伝。
「なんくるないさ~」精神で、周囲の人の能力を引き出してビジネスをしている、そのスタンスがよく伝わってくる。
著者も言うように転機は韓国の大学進学だった。
彼は韓国人でなく、生粋の沖縄人。日本の私立大学に行けるほど金もなく、国立大学に行けるほどの頭もない。彼の夢である公務員9時-5時の生活を手に入れるには大卒の資格が必要だ。第三国の大学では大学卒と見做されないが、韓国の大学ならOKなんだそうだ。しかも学費も安い。
そのような考えで、韓国の大学へ進学したのだそうだ。
しかも、その大学は、韓国語も英語もできない著者が、白紙で入試回答して入学できて、卒業できちゃう誠に加減なものである。
いい加減な大学ではあるが、彼はそこでかけがえのないものを得た。
それは、同じような境遇の海外からの留学生らと知己になれたことである。
アフリカや日本からの他の留学生と一緒に中古車輸出事業をしてプチ成功し、その後は、著者の「自分は何もできないから、どんどん人に任せる」スタイルでビジネスを拡大していったのだそうだ。
日本を飛び出したのが何よりも良かったネ。日本でどうも自分はうまくやれそうにないなと思ったら、思考を転換して海外にサクっと行ってしまうというのはアリだよね。日本で均質な集団に埋没してしまうより、日本人が少ないところで貴重な日本人であったほうがそれだけで個性は突出するからね。
僕も海外のビジネス、なにか買ってみようかな。